プノンペンのカフェ激戦

こんにちは!

先週の5月25日、スターバックスコーヒーのカンボジア2号店がイオンモールにオープンしました。
正面入り口横の1等地での堂々オープンで、オープン初日は店外まで長蛇の列ができたということで話題になりました。
オープンからちょうど1週間経った6月1日は、International Children’s Dayということでカンボジアは祝日でしたが、夕方18:00近くで店舗内外の席は満席。
店内は注文を待つ人の列でぎっしり、一部外にまで行列がはみ出しているような状況でした。

このスターバックス2号店は、昨年12月プノンペン国際空港内に1号店がオープンしてから半年未満でのオープンとなりました。
1号店は空港内であるがゆえ、一部の旅行者のみ利用可能な状況ではありましたが、ここ数ヶ月の間で現地での評判が一気に高まり、スターバックスはカンボジアへの長期的な投資の可能性に確信を得たといいます。
また、2号店の長蛇の列を見る限り、プノンペン中心部へのスターバックスオープンは、現地の人々にとって待望のニュースであったと言えそうです。
そんな世界のスターバックスですが、実は、カンボジアに参入するカフェブランドとしては、比較的後発のプレイヤーと言えます。
ここ数年、プノンペンでは、空前のカフェブームと言っても良い程、カフェの進出・出店が相次いでおり、中心部には世界各国のカフェチェーンが供給過多とも思われる程に軒を連ねています。

今回は、大物スターバックスの登場でさらに活況を呈するプノンペンのカフェ激戦について、取り上げてみたいと思います!

しばらくは2号店オープンの熱気が続きそうなスターバックスですが、プノンペンポスト紙によると、既に3号店のオープンも今年10月に予定されているとのことです。
その3号店の出店予定エリアが、カフェメッカと言われる程、カフェがひしめき合うボンケンコンエリアになります。
高級コンドミニアムが立ち並び、外国人や現地富裕層が多く住むことでも有名なエリアです。

さて、このボンケンコンエリア。

地図上の赤で囲まれたボンケンコン1と呼ばれる区画の中に、カフェ単体の店舗で約30店舗、レストランやブティックホテルが運営しているカフェを含めると50店舗を優に超える数のカフェが存在しています。
中でも、特にカフェが密集するのが、太い赤線で示したStreet 51Street294です。
Street 294の赤線の部分はわずか400m程ですが、この中に7軒ものカフェが存在しています。

以下は、ボンケンコンエリアに存在する主要カフェチェーン店をリストアップしたものです。
欧米系のほか東アジア、東南アジア各国のブランドが集まっています。

そして、このようなカフェメッカにしてなお、ボンケンコンエリアにはオープンを控える新しいカフェも見られる状態です。

これだけ多いと、なかなか全て制覇できるような状況ではありません!
さて、プノンペンのカフェのうち、スターバックス進出以前からこの市場を盛り上げていた、注目のブランドをいくつかご紹介したいと思います。

以下にご紹介するブランドはいずれも、路面店のほか、今回スターバックス2号店がオープンしたイオンモールの中にも店舗を有しています。
まずは、プノンペンのカフェを語る上で外せない2強からご紹介します!

❖BROWN COFFEE AND BAKERY

カフェブームの火付け役ともなった、カンボジア発のブランドです。
現在プノンペン市内に11店舗展開されています。
温かみのあるレンガや木、無機質なコンクリートを見事に融合して作られたお洒落な店内は、カンボジア人の若者でぎっしりです。

これまで、カンボジアのスターバックス的存在とされており、スタイリッシュで洗練されたイメージは、一見すると外来のブランドかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、創設者5人はすべてカンボジア人
しかも、設立当時、この5人は皆20代でした。
いずれもオーストラリアなどへの海外留学時に、海外のカフェ文化に触れてきた若者で、オーストラリアやアメリカなどのカフェを徹底的に研究した結果、現在のBROWNのコンセプトに行き着いたといいます。

<メニュー例>
Regular/Large/Grand
・Iced Americano $2.4/$3.35/$3.75
・Hot Americano $2.2/$3/$3.65
・Iced Caffe Latte $2.65/$3.65/$4
・Hot Caffe Latte $2.4/$3.35/$3.85
・Brown Frappe $2.95/$3.85/$4.25

祝日の昼頃。店内には、フラッペ(フラペチーノ)スマートフォンを片手に談話したり、ゲームや動画に興じるカンボジア人の若者が多く見られました。

プノンペンの街中では、こちらのようなコーヒーの移動販売車をたくさん目にすることができますが、このような販売車では1,500リエル(0.37ドル)程度〜でアイスコーヒーを買えますので、BROWNのフラッペは、現地の給料水準(2016年度ワーカー最低賃金: $140)を考えても決して安くはありません。

BROWNのようなカフェに行く目的は、もはやコーヒーを買うのみでないことが分かります。
いわゆるプレイスポットが多くないプノンペンにおいては、カフェで飲み物を囲んで仲間と集うことは、余暇の過ごし方の定番になりつつあるようです。

❖COSTA COFFEE

2強その2です。
イギリス発。世界最大級のカフェチェーンで、現在カンボジアでは、プノンペンに5店、シェムリアップに1店の計6店展開されています。
店内を覗いてみると、その顧客層はBROWNとは少し異なっていることに気づきます。


※写真:『The The Phnom Penh Post』より

BROWNが大学生位の学生中心に賑わっているのに対し、COSTAの店内では仕事やミーティングをするビジネスマンの姿が多く見受けられます。

また、そもそもの目指すところがBROWNとは異なるといいます。

BROWNが海外のカフェの様々な要素を取り入れつつも、現地若者のニーズに適合するようローカライズしているのに対し、COSTAは世界共通基準で同じクオリティのコーヒーを提供することを目指しています。
特に、外国人在住者や観光客が母国のコーヒーを思い出してホッとする場所、世界中のどこに行っても同じコーヒーを楽しむことができる場所というのをコンセプトにしているそうです。
コーヒー豆も使用されるマシンも、世界中のCOSTAで共通品質を保つよう徹底されています。

<メニュー例>
PICCOLO/PRIMO/MEDIO(HOT) PRIMO/MEDIO/MASSIMO(ICE)
・Americano(HOT・ICEとも) $2.59/$3.39/$4.29
・Caffe Latte(HOT・ICEとも) $2.89/$3.69/$4.49
・FROSTINO COFFEE(Coffeeフレーバー) $3.49/$3.99/$4.59

❖KOI Cafe

ここ1年位で盛り上がりを見せている台湾ティーのブランドで、台湾で有名な50LAN Teahouseの姉妹ブランドです。
メニューは、フレーバーアイスティー、ミルクアイスティーが中心で、タピオカやゼリーなどのトッピングをオーダーできます。
カンボジアに、バブルティーをはじめとする台湾ティーを流行らせたブランドの一つに、現在カンボジア全土に17店舗展開中のChatime(台湾系)があります。
他にもGONG CHA(台湾系、BROWNが台湾企業とジョイントで展開)、poptea(カンボジア系)など、 台湾ティーを扱うブランドが急増した時期がありましたが、ちょうど今週GONG CHAがカンボジア撤退を発表するなど、一時に比べると台湾ティーブームは弱まっているのかとも思えます。

そんな中、台湾ティーブランドとしては新興であるKOI Cafeの店内は、いつも中高生〜大学生位の若者で賑わっています。

そこには、若者の心を掴むポイントがいくつかありそうです。
まず、価格設定
フレーバーティーは$1.2〜、ミルクティーは$1.6〜とかなり低く抑えられています。
Chatimeなどの他の台湾ティーブランドでは、$2.0を超えるメニューが多くなっており、$2.0を切る設定は、この手のブランドでは破格と言えます。
また、若者目線のプロモーションにも力を入れています。
イオンモール店では、KOI Cafeのティーとともに撮影された顔数々の写真がデコレーションされたブースがあり、さらにこのブースで記念撮影する人々の姿が見られます。

カンボジアでは、至る所でセルフィー(自撮り)する人々の姿を目にしますが、このトレンドを意識した企業プロモーションとして、「セルフィーブース」というものが流行りです。
日本のプリクラのような撮影機械と、企業ロゴなどが入ったPOPな背景、さらには持ったり身につけたりする小物が用意されたブースで、友達と一緒に撮影するのですね。


※KOI Cafe Facebookページより

そうすることで、ブランドロイヤリティを高めてもらうという方法です。
バレンタインなどのイベント時には、KOI Cafeも特設セルフィーブースを設置するなど、ブランド自体のファンを増やす取り組みに力を入れていることが窺えます。

<メニュー例> S/M
・Flavored Tea $1.2-$1.6/$1.7-$2.2
・Milk Tea $1.6-$1.7/$2.2-$2.4

カフェ、そしてカフェに行くことは、プノンペンのカンボジア人達の間で、一種のカルチャーになりつつあるとも言えそうです。
ますます競争が激化するカフェ市場。
世界の大物スターバックスも、既存のプレイヤーも、いかに共存、はたまた住み分けしていくかが課題になりそうです。
そして、消費者が、これだけ沢山あるカフェをいかに選び、いかに併用・使い分けしていくのか・・・こちらも大変気になるところです!

▼参考リンク
・『The Phnom Penh Post』
Starbucks enters mix at Aeon Mall(2016.5.26)
http://www.phnompenhpost.com/business/starbucks-enters-mix-aeon-mall
・『The Phnom Penh Post』
How a coffee chain conquered Cambodia: Brown’s success story(2013.10.3)
http://www.phnompenhpost.com/7days/how-coffee-chain-conquered-cambodia-brown%E2%80%99s-success-story
・『The The Phnom Penh Post』(2014.5.2)
Costa Coffee
http://www.phnompenhpost.com/post-plus/costa-coffee
・『The Phnom Penh Post』
KOI Café reaches new market in Cambodia(2015.4.30)
http://www.phnompenhpost.com/post-plus/koi-cafe-reaches-new-market-cambodia
・『The Phnom Penh Post』
Brown pulls Gong Cha franchise(2016.6.2)
http://www.phnompenhpost.com/business/brown-pulls-gong-cha-franchise