交通渋滞緩和に期待。プノンペンの路線バスが増線へ

こんにちは!

昨年、在留邦人数が3,000人を超えたカンボジア(H29年 外務省「海外在留邦人数調査統計」より)。
大企業の進出も除々に進んでおり、今後家族連れで首都プノンペンに移住される方もますます増えてくることと思います。
そんな中、在住者にとっても、これから移住される方々にとっても気になるものの一つに、交通インフラがあるのではないでしょうか。

今回は、今後さらなる発展が期待される交通機関の一つ、プノンペンの路線バスについて取り上げてみたいと思います。

プノンペンの交通事情

カンボジアでは、首都プノンペンであっても市内の移動手段は車、バイク、自転車がメインとなっており、公共交通機関が殆どありません。

自家用車や自家用バイク・自転車を持たない人々は、日常的にタクシー、トゥクトゥク(三輪タクシー)、バイクタクシー等で移動することになります。
これらの移動手段は、基本的に出発地から目的地までのドアツードア移動ですので、その点ではストレスフリーともいえます。
一方、日常的に起こる交通渋滞や交通事故は在住者の頭痛の種です。経済成長とともに都市部の人口・車両が増え続ける中、渋滞はますますひどくなっていくことも予想できます。

そのような中、プノンペンの交通状況改善施策の一貫として始動したのが「プノンペン公共バス交通改善計画」

先程、公共交通機関が“殆ど”ないと書いたのは、実はプノンペン市内には既に公共の路線バスが走っているからです。

こちらの路線バス。歴史は浅く、2014年に開通したばかりです。バス公社も同年に設立されました。現在市内に3路線走っていますが、プノンペン市民における利用率は約0.3%(「グローバルニュースアジア」より)と非常に低くなっており、期待されていた渋滞解消への寄与には至っていない状況です。

利用者が増えない要因の一つには路線数が少ないことが挙げられるかと思いますが、前述の「プノンペン公共バス交通改善計画」により、2020年までに10路線まで増線・整備が行われる予定です。

同計画については、昨年11月、日本の国際協力機構(JICA)がカンボジア政府との間で13億9600万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結し、公共路線バスの調達支援を行うことになりました。

また、プノンペンポスト紙によると、今月上旬には早々に5路線が増線されるとのこと。
今回の増線にあたっては、中国が新品のバスを100台寄贈したといいます。
追加の5路線がいつから本格稼働するのかは分かりませんが、主要な幹線道路を結ぶ線もできるということで、これからのバス利用率増加に期待が持てます。

プノンペンの路線バス

前述の通り、現在はまだ利用率が低いプノンペンの公共路線バスですが、実際の使い勝手はどのようなものなのでしょうか?

上の写真は1番の路線バス。
車体は比較的綺麗です。

バス停には、バス待ちをする人々。

運行時間は5:30〜20:30
バスはおよそ15分程度の間隔でやってきます。

運賃は片道一律1,500リエル(約0.38USドル)
トゥクトゥクで市内近距離間を移動すると、距離にもよりますが片道で1~4USドル位はかかってくるので、これはかなりの低価格設定といえます。さらに、学生、お年寄り、障害者、僧侶は無料です。
通学・下校時間には学生の利用客で混雑することも。

市内3路線は空港方面と市内を結ぶ線などあり、存在を知っていれば、現地の人々はもちろん、空港利用のある外国人にとっても、割と使い勝手の良い路線といえそうです。

車内はエアコンも効いており、快適に乗車できます。

日常の行動圏内に路線がある場合は、使わないと損かもしれません。

路線バス利用率向上の課題と可能性

さて。
増線で利用率向上に期待がかかるプノンペンの路線バスですが、カンボジア人の人々が頻繁に利用するようになるまでには、少し時間がかかることも予想されます。

バスを利用する場合、バス停から目的地までは、どうしても多少の徒歩移動が発生すると思います。

しかし、これまでドアツードア移動が普通だったカンボジアの人々は、日頃自分の足で歩く機会が殆どなく、ちょっとした距離の徒歩移動でも疲れてしまう人が少なくありません。
日本に行ったことがあるカンボジアの人々の中には、電車に乗るために駅構内を歩くだけですぐ疲れを感じてしまうという人も。

また、日本のようにきちんと整備された歩道がなく、車道ギリギリに車がぎっしり駐まっており、歩きづらいという問題もあります。バス利用を増やすためには、バスだけでなく周辺環境の整備も必要になってきそうです。

一方、自分のバイクを持たず、家族と共用していたり、いつも家族に送り迎えしてもらっているカンボジア人が少なくないのも事実です。
自分の足で動けないというのは結構不便ですし、毎回トゥクトゥクやバイクタクシーを使うと出費もかさみます。
今回の増線により、路線バス利用という選択肢が市民の間でも少しずつ認知され、除々に利用の習慣化が進んでいくとよいですね。

在住者としては、バス利用が増えることで渋滞が減ることはもちろん、同じくJICAが支援する信号機設置等の交通管制システム整備も相まって交通状況が改善され、より安心して暮らせるようになることを願うばかりです。

 

▼参考リンク:

・外務省 海外在留邦人数調査統計
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000043.html

・国際協力機構(JICA)ニュースリリース(2016.11.30)
https://www.jica.go.jp/press/2016/20161130_01.html

・『グローバルニュースアジア』【カンボジア】プノンペン、バス運営改善プロジェクトーJICA(2017.2.26)
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=4130&country=6&p=2

・『The Phnom Penh Post』 100 additional buses descend into city』(2017.6.29)
http://www.phnompenhpost.com/post-property/100-additional-buses-descend-city