カンボジアのお盆休み

こんにちは!

10月を迎え、日本はそろそろようやく秋らしい気候になってくるところでしょうか?
カンボジアでは、先日9月30日〜10月2日までプチュンバンと呼ばれるお盆の期間にあたり、祝日となっておりました。
プチュンバンは、4月のクメール正月と並び、仏教国であるカンボジアでは大変大事な行事です。
今年は2日が日曜日と重なるため、3日を振替休日にしていた企業・店舗も多く、カンボジア人の方達の中には、前後合わせて1週間程度お休みを取られた方も少なくありません。
今回は、こちらのカンボジアのお盆の風習について取り上げてみたいと思います。
カンボジアのお盆も、日本と同様、ご先祖様の霊をお迎えする時期となっています。
プチュンバンのお祭り自体は15日間続きますが、この15日の間だけ、ご先祖様の魂が自由に行き来することができるとされ、ご先祖様と再会するためには、この15日間に最低でも7ヶ所以上のお寺を巡回する必要があると言われています。
そのため、カンボジア人の方達は、この期間に家族皆でお供えの食べ物を持ち、各地のお寺回りを行います。


<写真:『The Phnom Penh Post』より>

また、カンボジア人は、家族を大変大事にする国民として知られていますが、プチュンバンのお休みには、家族や親族が集まって食事や団らんをしたり、一緒に旅行に出かけたりすることが一般的です。
仕事や学校の事情で親元を離れて暮らしている人達も一斉に帰省します。
実際、前週の頭頃から、お寺回りや帰省する人も少なくなかったためか、プノンペン市内のショッピングモール等の人通りも、通常の平日と比べて少なかったように感じます。
本格的な帰省ラッシュが始まった9月30日からは、プノンペンの街はひっそりと静まり返っておりました。
さて、プチュンバンが日本のお盆と少し異なる点としては、それが先祖を供養するだけでなく、周囲の家族感謝する期間としても強く認識されている点かと思います。


<写真:『The Phnom Penh Post』より>

プチュンバンに帰省した学生や若者達は、朝早く起きて母親がお供えの食べ物を料理するのを手伝ったり、お寺までの移動・搬送を率先して手伝うほか、自分で稼いで貯金したお金で両親にプレゼントを渡すような習慣もあります。

そうです。

プチュンバンにはお金が必要なのです。

実家に帰省する交通費も馬鹿になりません。
プチュンバンの前には、目の前のお金欲しさに、街中で強盗・スリも多発します。
そんな状況を見かねてか、今年は、公共事業運輸省(Ministry of Public Works and Transport)が主要な長距離バス・タクシー会社14社に対し、プチュンバン中のバス料金の値上げを行わないよう、公式に要請をしたというニュースがありました。


<写真:『KHMER TIMES』より>

これは、毎年プチュンバンの繁忙期を狙って料金を値上げするバス会社があることを意味しており、過去数年では、祝日期間終盤にバスを予約すると、通常料金の2倍額を課されるケースも散見されました。
しかし、今年は、公共事業運輸省の要請に反対する企業もなく、バス会社各社ともに料金据え置きで落ち着いたようです。
さらには、ガソリン料金の高騰を抑える政府の取り組みの恩恵等もあり、1日だけフリーチケットを発行する会社や、オンライン予約でディスカウントする会社なども出てきているとのことです。
このように、プチュンバンはカンボジア人にとって非常に重要な行事であり、国民一人ひとりが安心して先祖・家族のいる地元に帰省できるよう、国を挙げて協力しているのですね。
ただでさえ国民の祝日年間27日(※2016年 日本は16日)と圧倒的に多いカンボジア。
カンボジアでビジネスをする外国人の方々の中には、この期間、地元の業者がほとんどクローズしてしまい、従業員も皆帰省してしまうため、業務がストップしてしまうことで苦労されている方も少なくないと思います。
しかし、この国で事業を行う上では、こうした背景を理解し、尊重していくことも非常に重要になってくるのだろうなと思います。
ようやくプチュンバン前の賑やかさを取り戻してきたプノンペンの街…….
皆さんそれぞれ色々な想いとともにお盆の日々を過ごされたのでしょう。